ホーム運動方針

運動方針Movement policy

第18期

第17期の活動を振り返って

第17期は、訪日外国人旅行者の急増など、航空関連産業にとって需要拡大の機会が訪れるなか、中長期的な産業発展のチャンスを確実に活かし、将来の産業発展、魅力ある産業の構築に向けて、産業基盤の強化と組合員のモチベーションの維持・向上が重要であるとの認識のもと、「産業政策の実現」と「労働条件の維持・向上」に重点をおき、取り組みを進めました。

第17期は以下の項目を重点取り組み項目として取り組みました。

  1. 産業基盤の強化と発展を目指し、産業政策の実現に取り組みます。
    民進党航空政策議員フォーラムメンバーとの連携強化や連合・交運労協への働きかけを強化するなど、政策実現に向け精力的に取り組んだ結果、ボディスキャナー導入費用の国による2分の1の支援や航空券連帯税導入の見送りなど、航空連合の要望が平成28年度政府予算概算要求および税制改正大綱などへ反映されるとともに、「観光ビジョン実現プログラム2016」へ意見を反映することができました。
    また、航空保安法(仮称)の制定に向け、民進党航空政策議員フォーラムと連携し、「航空機強取等の防止措置に関する法律の制定に関する法律(案)」が第190回通常国会に議員立法として提出されました。
  2. 雇用の安定と労働条件の維持・向上に取り組みます。
    2016春闘では、産業の成長に向けた基盤のさらなる強化に向けて、働く仲間が生産性向上や仕事の質的な向上に自信や誇りを持ち、いきいきと仕事ができる環境整備を行う必要があるとの認識のもと、活力の好循環を継続的、安定的に生み出すとともに、あらゆる職場へ行き渡らせるべく、ベースアップをはじめとする月例賃金の引き上げにこだわり、具体的な数値の目安を掲げ、取り組みました。
    過去最多となる44労組がベースアップ要求を掲げ、各労組は「職場での『活力の好循環』や継続的な人への投資の重要性」と「将来の航空関連産業を支える人材の定着・育成・確保に向けた賃金改善を含む労働条件改善の重要性」などを主張し、精力的に交渉を行った結果、40労組で有額回答を引き出すことができました。なお、回答を引き出した40労組のうち、32労組は2年連続でのベースアップを獲得しました。

第17期は、53労組、約36,300名で活動を進めてきましたが、第18期は新しい仲間も加わり、37,800名規模でスタートする見込みです。これまで積み上げてきた活動を充実させるためにも引き続き、組織拡大の取り組みを強化する必要があります。

2020年までの重点取り組み項目

超少子高齢化・人口減少社会の到来に伴い、日本の労働市場においては、今後、労働力人口のさらなる減少が見込まれており、さまざまな産業において人材の確保は課題となっています。

国土交通省では「乗員政策等検討合同小委員会」にて、操縦士や整備士、製造技術者の人員不足に対して国レベルで取り組みが進められています。また、それ以外のフロントラインを支える人材についても、「人材の採用が計画的に進まない」「離職率が高く、一部資格者の勤務が連続し、職場の負担が高まっている」といった声が職場から寄せられており、地方空港などでは外航の地上業務を受託できる十分な体制を構築できないなど、具体的な影響も顕在化しており、人材の定着、育成、確保に関する課題が指摘されています。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックをはじめとする国際的なイベントを控えるなか、政府は「観光産業を革新し、国際競争力を高め、日本の基幹産業とする」方針を打ち出し、2020年に4,000万人、2030年までに6,000万人という新たな訪日外国人旅行者数の目標を定めました。今後は、目標の達成に向けた政府の施策が進められることから、さらなる航空需要の拡大も見込まれます。航空関連産業の継続的な発展を実現するには、これらの好機を確実に捉える必要があり、2020年まで3年あまりとなった今、2020年以降も見据え、強固な産業基盤の構築に向けて、人材の定着・育成・確保を産業全体の喫緊の課題と認識する必要があります。

航空連合は、2016春闘においては、人への投資を起点とした「活力の好循環」を継続的、安定的に生み出すとともに、産業が生み出す付加価値を拡大し、労働組合の有無にかかわらず、航空関連産業のあらゆる職場に行き渡らせるべく適正に配分することの重要性を主張しました。

また、2015-2016産業政策提言においては、産業を支えるすべての人材の確保、育成がなければ事業の維持、拡大が難しいことを関係者全員で共有する必要があることを主張し、関係各所への要請を行っています。加えて、働くものの立場から、産業の魅力発信に向けたイベントの開催など、具体的な取り組みの検討も行っています。

今後も2020年に向け、これらの取り組みを継続、進化させ、航空関連産業の持続的成長に向けた、あらゆる職場での人材の定着、育成、確保という課題を達成するために、以下の内容について、特に継続的かつ重点的に取り組みます。

  1. 産業の魅力発信、および産業全体で生み出す付加価値の拡大について、主体的に取り組みます。
  2. 人への投資を起点とした活力の好循環を継続的に生み出すべく、取り組みを進めます。
  3. 活力の好循環を産業の隅々に行き渡らせるべく、産業全体で生み出した付加価値の適正な配分の実現と組織の強化、拡大に取り組みます。

第18期運動方針の策定にあたって

世界経済は、回復が続く米国経済、緩やかな拡大基調を維持しているユーロ圏経済をけん引役に、一部弱さがみられるものの、全体としては緩やかに回復しています。また、中国経済の減速のテンポは緩やかになり、新興国経済も全体としては最悪期を脱しましたが、二極化が進んでいます。2017年にかけては、米国およびユーロ圏経済の回復基調を受けて緩やかに拡大していく見込みですが、米国の金融政策正常化の影響や中国をはじめとするアジア新興国などの経済の先行き、英国のEU離脱問題に伴う先行き不透明感の高まりによる影響などのリスク要因もあり、注意が必要な状況です。

日本経済は、景気は弱さも見られますが、緩やかな回復基調が続いています。また、企業収益は前期を下回る水準で推移しているものの、非製造業を中心に底堅さを維持し、リーマンショック前を上回る水準を維持しています。実質賃金は、物価上昇の鈍化などの影響から上昇を続けていますが、回復は限定的で消費におよぼす影響は不透明です。2017年は、消費増税の延期により、下振れ要因がなくなり、個人消費の回復が期待されますが、景気の回復ペースは緩やかなものにとどまる見込みです。また、4月に発生した熊本地震が経済に与える影響にも注意する必要があります。

航空産業は、ここ数年、LCCを含む海外航空会社の台頭や他交通モードも含めた競争が激化していますが、訪日外国人旅行者数の目標達成に向けた政府の具体的な施策が推進されることで、インバウンド需要のさらなる増加が見込まれます。他方、アウトバウンド需要については、世界各地で発生しているテロの影響が懸念される状況です。また国内需要については、各社とも熊本地震による影響が第一四半期決算に色濃く出ており、今後の回復を注視する必要があります。

職場では、リーマンショック以降のさまざまな構造改革や、拡大する需要への対応によって働く仲間の負荷が増加していること、人への投資が十分に行き渡っていないこと、需要拡大に合わせたCIQ設備などの施設面での受け入れ環境整備が不十分であることなどが指摘されています。また、これらの実態があいまって、人材の育成や定着に支障をきたしかねない状況が懸念されています。

第18期は、2020年のビジネスチャンスを確実にとらえ、その後の成長を確実なものとするため、人材の定着、育成、確保という産業が抱える喫緊の課題の達成に向けて、取り組みを具体的に推し進めます。

また、先行き不透明感への懸念、景気回復の遅さなどが見られるものの、訪日外国人旅行者の増加による需要のさらなる拡大も見込まれる情勢のなか、組合員の働きがいやモチベーションの維持・向上、魅力ある産業につながる職場づくりと経営基盤の強化に向けた個別労使による徹底した労使協議・交渉が重要です。

一方で、個別労使の協議・交渉のみで、組合員の生活の安心・安定を確かなものとすることは難しく、また、個別労使の努力だけで航空行政に大きな影響を与えることは難しいといえます。航空連合は、引き続き、産業の基盤強化と発展、働きやすさと働きがいの充実、産業の活力創造に向けた取り組みも着実に進め、魅力ある産業づくりを目指します。