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運動方針Movement policy

第18期活動報告

「2020年までの重点取り組み項目」に関する成果と課題

航空関連産業の継続的な発展を実現するためには、東京オリンピック・パラリンピックなど、今後待ち受ける好機を確実に捉える必要があります。そのためには2020年以降も見据え、強固な産業基盤構築に向けた人材の定着・育成・確保が喫緊の課題であるとの認識のもと、第18期のスタートにあたって、特に継続的かつ重点的に取り組む項目として、3項目からなる「2020年までの重点取り組み項目」を策定しました。

① 産業の魅力発信、および産業全体で生み出す付加価値の拡大について、主体的に取り組みます。

② 人への投資を起点とした活力の好循環を継続的に生み出すべく、取り組みを進めます。

③ 活力の好循環を産業の隅々に行き渡らせるべく、産業全体で生み出した付加価値の適正な配分の実現と組織の強化、拡大に取り組みます。

第18期は、この重点取り組み項目を踏まえつつ、さまざまな取り組みを行いましたが、1年間の活動を通じ、以下のような成果を得るとともに課題が明らかになりました。これらの課題に関しては、第19期を含め、今後の活動を通じて達成を目指す必要があります。

①産業の魅力発信と付加価値の拡大について

産業の魅力発信については、動画の制作・公開や特設ホームページ「空港の裏方お仕事図鑑2017」の開設を通じ、主体的に航空関連産業で働くことの魅力を発信しました。また、記者発表会などを開催し、FacebookやTwitterを通じた情報発信を行いました。公開後、3か月あまりの間に約28,000人がホームページを訪問し、動画再生回数も約10万回に達しており、魅力発信に一定程度効果があったものと考えます。また、制作過程での組合員へのヒアリングなどを通じ、職種の魅力などを再認識し、モチベーションの向上にもつながりました。今後も、ホームページの内容充実やSNSなどの活用によって、発信力を強化する必要があります。8月には、小学生向けの就業教育イベント「学びのフェス」に出展し、模擬体験を通じた魅力の発信も行いました。今後は、地方におけるイベントへの出展を含め、体験型イベントの展開について検討する必要があります。

付加価値の拡大については、各空港における施設改善や港内免許の基準緩和など、産業政策の実現を通して働く環境を整備し、生産性向上に資する成果を上げることができました。一方で、職場の気づきや創意工夫を元にした主体的な生産性向上の取り組みやイノベーションへの挑戦に向けた職種・会社を横断した議論の場の設定など、航空連合として具体的に仕掛けるには至っていません。また、主体的な生産性向上には、働く環境としての各空港における施設などの改善も効果的です。その際には、加盟組合だけではなく、各加盟組合の組合員とともに働く協力会社の社員などの声も集約することが有効です。

②継続的な活力の好循環の実現について

2017春闘では、人への投資を起点とする活力の好循環の実現に向けた取り組みが各加盟労組において積極的に進められました。また、賃金改善と並んで、「総実労働時間の縮減」や「成長の原動力である人材育成体制の強化」を方針の重点項目に掲げ、さまざまな形での継続的な人への投資が重要であることを訴え、取り組みを進めました。その結果、多くの加盟組合において、3年連続となるベースアップの獲得のみならず、春闘期間を中心とした取り組みにより、総実労働時間縮減に向けた施策の推進や公休増など、さまざまな成果を上げることができました。賃上げを含め、さまざまな労働条件の向上は、人材の定着につながったと考えます。今後も、人への投資を起点とした活力の好循環を一過性とせず、継続し続けることが、産業の魅力の向上につながることから、春闘期間のみならず、年間を通じて取り組む必要があります。

③産業全体で生み出した付加価値の適正な配分の実現と組織の強化、拡大

経営要請などを通じ、労組・資本関係の有無を問わず、産業全体が生み出す付加価値をあらゆる職種・職場の隅々まで波及させることの重要性に関しては労使で共有できましたが、資本関係が異なる協力会社や委託先に対して、組合として具体的な取り組みを展開するには至っていません。また、協力会社の社員などから意見を聞き、航空連合の活動に反映するには、労働組合がないことなどもあり、難しさもあります。引き続き、経営要請をはじめとして、さまざまな機会をとらえて労使の認識をすり合わせるとともに、具体的な取り組みを検討する必要があります。また、地方空港で業務を受託している企業には他産別に加盟している労組が多くあることから、これらの労組との意見交換の開催に向けて、他産別との調整を始めました。今後は、産業全体の底上げに向けて、生み出した付加価値の適正な配分を実現する観点から、意見交換を通じ、空港に関する共通の課題抽出や労働条件などの把握に努めることが重要です。これらの知見を踏まえ、共通する政策課題の改善に向けて取り組みを進めることや、航空連合労働条件調査の分析も踏まえたうえで産業として目指すべき労働条件などの目標の設定について検討する必要があります。

また、産業全体に付加価値を波及するためには、産業全体に健全な労使関係を構築することが重要であり、組織化の推進も必要です。第18期は、これまでの地道な組織化の取り組みの結果、新たに結成された2つの労組が航空連合に加盟しました。新興エアラインやLCCなど、航空関連産業には未組織企業が依然として多くあることから、今後も、航空関連産業を代表する産業別労働組合として、未組織企業における組織化を推進する必要があります。また、加盟組合の未組織社員に関しても、就労形態が異なることなどから、賃上げをはじめとする人への投資が十分に行われていない事例もあり、これら未組織社員の組織化にもさらに精力的に取り組む必要があります。加えて、第18期は、新規加盟組合を中心とした組合運営に関するサポート、日常の労働相談への対応などを積極的に行いました。各加盟組合における活力の好循環を継続するためには健全な労使関係が不可欠であり、今後もサポート機能を強化する必要があります。

第19期運動方針

2020年の東京オリンピック・パラリンピック関連需要の高まりによって日本経済の成長が期待されていますが、個人消費の回復は力強さを欠いています。日本経済の継続的な成長を促すためには、個人消費の回復が不可欠であり、その源泉となる働くものの労働条件の向上を目指すべく、継続的な活力の好循環の実現に向け、各社労使での取り組みが求められます。また、働き方改革の名のもとにさまざまな労働法制の改正が見込まれることから、法対応に関して協議・交渉を行う必要があります。加えて、人材の定着に向けた労働条件の整備や、育成に向けた環境整備に取り組む必要性について労使の認識は概ね一致しているものの、具体的な取り組みは緒に就いたばかりであり、職場の人手不足感は十分には改善されていないことからも、継続的に取り組む必要があります。

他方、訪日外国人旅行者数の目標達成に向け、空港の施設整備やCIQ要員の増員など、受入環境の整備は徐々に進んでいるものの、いまだ十分とは言えません。また、世界各国でソフトターゲットを標的としたテロ行為も頻発している状況下において、航空保安体制を強化する必要性も高まっています。これらの課題に対しては、各社労使の協議・交渉のみで改善を図ることは難しく、産業全体として航空行政に対して働きかけを行う必要があります。

また、喫緊の課題である人材の定着・育成・確保に対しては、「2020年までの重点取り組み項目」達成に向けた第18期の取り組みをさらに深化させる必要があります。「産業の魅力発信と産業全体で生み出す付加価値の拡大」については、ホームページの充実など、航空連合独自の取り組みを通じ、人材の確保に向けて働くことの魅力発信を継続します。また、付加価値の拡大には職場に根差した生産性向上が不可欠であることから、さまざまな機会をとらえて職種・会社横断で生産性向上やそれに資する産業政策課題に関する議論を促進します。「継続的な活力の好循環」については、2018春闘を中心に、人への投資を通じたさまざまな労働条件の向上を図ります。また、「産業全体で生み出す付加価値の適正な配分」に向けては、航空関連産業で働く他の産業別労働組合に所属する仲間との意見交換などを行い、共通する政策課題を抽出し、その改善に向けて取り組みを進めるなど、産業全体の底上げに向けた取り組みを推進します。また、課題認識を共有し、ともに活動する仲間を増やすべく、未組織企業や未組織社員に対する組織化や加盟組合へのサポートを通じた組織の強化をこれまで以上に強力に推進します。

航空連合は、第19期、産業の基盤強化と発展、働きやすさと働きがいの充実、産業の活力創造に向けたこれまでの取り組みを着実に進めるとともに、2020年に向けて人材の定着・育成・確保という産業全体の喫緊の課題の克服に向けて、「2020年までの重点取り組み項目」に関する取り組みをさらに推進し、魅力ある産業づくりに向けて取り組みます。