Ⅰ.第25期活動報告
1.第25期の主な成果と課題
(1)産業の基盤である安全の堅持と人材の確保・拡大
①航空安全政策の実現と安全意識の醸成
○1月2日の羽田空港航空機衝突事故を受け、加盟組合への会長メッセージの発信、事務局長談話の公表に加えて、職場の視点も踏まえて関連政策を点検し、実現に向けて関係各所への要請を実施しました。また、第6回中央執行委員会では航空評論家・元日本航空機長の小林宏之氏をお招きし「安全意識をどう行動に繋げるか」について講話をいただき、職場の安全意識徹底と行動発揮に向けて取り組んでいく意識合わせをおこないました。
○第211回国会で成立した「撮影罪」に関する法施行後の職場状況を点検するため、アンケートを実施し、実効性や運用における課題を改めて整理しました。アンケート結果をもとに記者会見を実施し、盗撮・無断撮影されたとする回答割合が、法施行前の2022年のアンケート実施時に比べ低下したことや、利用客の撮影行為に対して、より能動的な対応ができるようになったとする回答割合が増加したことなど、職場では一定程度、法施行による効果が共有されていることを踏まえつつ、悪質な無断撮影行為については、啓発活動も含め、さらなる対策強化に向けて取り組んでいくことを説明しました。
○航空安全委員会を年4回開催し、航空安全に関わる政策実現力向上や理解促進を図りました。また、7月に安全シンポジウムを開催し、外部講演や航空連合の取り組み報告に加え、会社にもパネリストとして登壇いただき、安全意識を元に一人ひとりの行動化につなげていくことを労使それぞれの視点でディスカッションし、安全意識の醸成に努めました。
②産業で働く魅力の再発見・再構築による発信強化と人材の確保・拡大
○国の「航空整備士・操縦士の人材確保・活用に関する検討会」において職場の現状を踏まえ、今後取り組むべき課題に関する航空連合の考え方を発信しました。6月に公表された「中間とりまとめ」には航空連合の意見・要望が反映され、今後は事業者も含めて、実効性を高めるための具体的な検証・検討がおこなわれることとなっており、今後も関係加盟組合と連携し、引き続き対応していきます。
○現状の人材不足や継続している離職への課題に対応するため、航空関連産業で働く魅力の再発見、再構築の観点で、仕事インタビューにおいて整備・グラハン・貨物だけではなく、職種を広げた上で、内容の充実を図りました。
○産業で働く魅力や航空関連産業のトピックについて、各種SNS(X、Instagram、Facebook)を活用し、発信を強化するとともに、航空連合ポスターのリニューアルをおこないました。
○将来を担う若年層や子どもたちに産業で働く魅力を伝えるべく、継続的な取り組みとして、3月と8月に「学びのフェス」へ出展しました。また、環境ボランティアを実施している福岡県八女市において航空連合福岡と本部で連携の上、航空教室を初めて開催し、保護者を含めて約100名が参加しました。
○国がとりまとめた「空港業務の持続的発展に向けたビジョン」を受けて、部会をはじめ各会議においてグラハン人材に関わる課題を継続して集約しました。また、自動車整備士資格が必要である航空機地上支援車両(GSE)の整備士人材不足についても取り組み、同じ課題を抱える自動車総連と意見交換を実施しました。
(2)「圧倒的な生産性向上」と「継続的な人への投資」による好循環の実現
①「圧倒的な生産性向上」にむけた産業政策の実現力強化

○航空関連産業で顕在化している人材不足に対し、産業を支える人材の確保・育成・定着に関する支援を政府や各政党に要請し、令和5年度補正予算において「航空・空港関係事業者の人材確保・育成等、生産性向上に資する取組の推進」として、約7億円が計上されました。
○令和7年度政府予算概算要求および税制改正に際して、航空連合の政策要望を反映させるべく、政府・政党など関係各所に対して精力的に要請をおこないました。
○政策実現力の強化に向け、航空連合政策議員フォーラムを定期的に開催し、2024年6月には、約10年ぶりとなる空港現場の視察をおこない、安全の取り組みや人材不足の現状をフォーラム内で確認しました。また、「航空連合政治塾」を開催し、政策実現と政治の関わりについて参加者の理解を深めました。
○自由民主党との政策意見交換を実施し、関係を深めたことに加え、今期初めて公明党と産業政策に関する意見を交換しました。政権与党に対して航空関連産業を取り巻く職場の課題を伝え、要請を通じて政府方針への意見反映をおこないました。
○定期航空協会と政策要請や各種取り組みなどについてタイムリーに意見交換・情報共有をおこないました。一方、「航空産業政策意見交換会(仮称)」の実現には至っておらず、事業者団体と産業別組合の役割や関係が設立当初と比べて大きく変化しているという認識を共有化し、開催に向けて引き続き取り組む必要があります。
○空港グランドハンドリングにおける産業労使関係の構築・強化と、処遇改善などを含めた魅力ある業界づくりに向けた認識合わせを目的とし、一般社団法人空港グランドハンドリング協会と、初めてとなる産業労使懇談会を開催しました。今後は共通の課題認識をもとに労使双方が労働条件の改善などに具体的に取り組むとともに、産業政策を中心に連携すべき課題について産業労使としての実行力を高め、職場・業種の問題解決と魅力ある業界づくりに取り組みます。
○コロナ対策の教訓についてJR連合、サービス連合とともに連合と意見交換をおこなったほか、交運労協を介して関係省庁に要請をおこないました。今後も上部団体や他産別とも連携を図りながら、各政策を実現していきます。
○5月に政策シンポジウムを開催し、「アフターコロナ・人口減少下における国内路線の再活性化策とは」をテーマにパネルディスカッションを通じて議論を深めました。
○産業政策提言を中心に、業界における規制の見直しや施設・ハード面の改善要望など、生産性向上に資する政策について、優先度をつけて関係省庁に働きかけをおこないました。特に2024年6月に航空局が立ち上げた「空港グランドハンドリング作業の生産性向上に関する技術検討会」において、手荷物の仕分け・積み付け業務の見直しについて、官民が一体となって取り組むことが示され、8月の第2回検討会では航空連合から職場の現状と課題について意見を発信しました。
○航空連合の政策提言について加盟組合内部の理解促進を目的として、NEWS EXPRESSの発行などにより情報をタイムリーに共有しました。また、マスコミを活用した情報発信にも注力し、記者会見(運動方針、2024春闘方針、2024春闘経過報告、撮影罪施行1年をふまえたアンケート)を通じて、メディアでの発信力強化を図りました。
②「継続的な人への投資」にむけた労働政策の実現力強化

○2024春闘に向けて各職場の状況を十分に共有し、航空連合全体の機運を高めるべく、オンラインで春闘討論集会を初めて開催し、約70名が参加しました。
○労働組合の社会的責務を果たし、働く仲間がやりがいと誇りを持って働き続けることができるよう、「人への投資」による「圧倒的な生産性向上」に取り組み、働き方と賃金を中心に昨期の「産業の転換点」を確実なものとすることをめざしました。
○月例賃金については、2024春闘方針でベースアップを軸として月例賃金改善10,000円以上を掲げ、51組合が賃金要求をおこない、要求平均額は12,787円、回答平均額は11,161円となりました。結果、過去最高の賃上げを実現し、大きな成果をあげることができました。
○2023春闘の振り返りをふまえ、2024春闘では、継続的な賃金改善に加えて、働き方・生産体制の見直しにいっそう注力して取り組む方針を掲げました。そのなかでも人材不足を背景に繁忙感が高まり、十分に休息を取ることが難しい職場も多いことから、シフト勤務が多いという産業の特性をふまえ、勤務間インターバル協定(11時間)の締結に向けて全体で取り組みました。23組合が要求を掲げ、12組合で何らの前進回答を得たものの、実際に協定の締結に至ったのは3組合に留まりました。初めての取り組みでしたが、中央委員会で方針を決定してから加盟組合で議論、検討する時間が限定的だったことから、今後に向けて課題を明確にして継続して取り組む必要があります。
○働く仲間が航空関連産業で長く働きたいと思うことができるためには、2024春闘の到達点をふまえたうえで、一過性の取り組みに終わらせることなく、産業全体で働く魅力を継続的に向上させる必要があります。そのためには、他産業に後れをとることなく、賃金と働き方の両面から労働条件の改善に努め、「人材の確保・育成・定着」を実現することが求められます。
○第26期は「航空連合 中期労働政策方針(2022-2025)」の最終年を迎えることを踏まえ、賃金や一時金・賞与、総実労働時間など中期的に目指すべき目標の達成に向けた取り組みを加速し、持続性のある新たな労働政策を立案する必要があります。
③適正な取引の推進による産業内への「人への投資」の波及
○労組の有無や資本関係にかかわらず、地方空港、委託企業等の状況把握、課題共有を段階的に進めました。具体的には、交運労協の仲間との意見交換を実施し、政策活動の充実、産業全体の付加価値の拡大に取り組みました。引き続き、航空関連産業で働く仲間との交流、意見交換の充実を図っていきます。
○産業が持続的に発展していくためには、産業全体で労働条件を向上させ、人材を確保・育成・定着させていくことが不可欠です。受委託関係の適正化を促すとともに、航空分野における特定最低賃金や労働協約の拡張適用などによる産業全体での労働条件向上施策を継続的に検討します。
○「航空連合 適正取引ガイドライン」の策定に向けて中央執行委員会で継続的に議論し、素案を策定しました。今後、他産別のガイドラインなどを参考に検討を深め、職場の声に基づいたガイドラインを策定し、2025春闘の前に関係する省庁や事業者団体への要請をおこない、産業内に適正な取引を推進する環境の整備の実現に向けて、引き続き取り組みます。
(3)仲間の輪の拡大と運動の変革への挑戦
①健全な労使関係の構築と組織基盤の強化による5万人組織への挑戦
○組織基盤を強化すべく航空連合組織化方針を策定しました。今後、方針に基づいて具体的な活動につなげるべく、加盟組合や地方組織と議論を深めていきます。
○航空関連産業全体における健全な労使関係の構築と航空連合の組織力強化、付加価値の波及に向け、仲間の輪の拡大・組織化に継続的に取り組みました。本邦LCCの労組として航空連合において初めてとなるジェットスタージャパン労組の加盟を承認し、第26期から正式加盟することとなりました。
○航空連合の活動や成果を組合員や産業で働く仲間に分かりやすく簡易に伝えられるよう、各種情報発信ツール(Webサイト、X、Facebook、航空連合NEWS)を積極的に活用しました。より一層の発信力強化をめざしていきます。
○組合員の生活の安心につながるよう、「ゆとり共済つばさ」や「医療共済」などの組合員向けサービスと、組合活動補償共済やメンタルヘルスサポートなどの組合単位で加入するサービスに関して、組織委員会などを通じ、周知・広報を徹底しました。スケールメリットをいかした組合員向けサービスを対外的にも周知し、組織拡大につなげます。
②多様な仲間の価値観を職場や労働組合に反映させるジェンダー平等の推進
○「航空連合 ジェンダー平等推進計画(2021.10~2025.9)」に基づき、航空連合の機関会議における女性参画比率目標35%に対して中央執行委員会は37.5%と達成しているものの、第25回定期大会、中央委員会は未達となりました。第25期では加盟組合へのアンケートを実施し、ジェンダー平等参画の目的や目標の意義について改めて認識の共有を図りました。第26期に計画最終年を迎えることから、現行の目標の確実な達成をめざすとともに、次期ジェンダー平等推進計画を検討し、さらなる運動強化につなげていきます。
○ジェンダー平等をより積極的に推進すべく、「ジェンダー平等推進フォーラム」を6月に開催し、産業におけるジェンダー平等をいかに推進するか議論を深めました。
○女性リーダーがより一層活躍するための研修や交流機会を提供するWINC(Women's Interactive Networking Community)を今期も年間3回開催しました。参加者自身のありたい姿や課題を達成していくためのグループワークとディスカッションを通じて交流を深めました。また、これまでのWINC受講者との意見交換を初めて実施し、交流を深めました。
○他産別との勉強会や交流会をおこなうとともに、ジェンダー平等推進委員会においては、様々な多様性について理解を深めることを目的とした外部講師による講演をおこなうなど、内容の充実と運営の工夫に取り組みました。
③航空連合地方組織の基盤強化と本部との連携
○UX(ユニオン・トランスフォーメーション)プロジェクトの答申をふまえ、オンライン開催と集合開催のメリットを最大化した運営形態を意識して各会議を開催しました。航空安全シンポジウムは大きなイベントとしては初めてとなるハイブリッド形式で開催し、より多くの参加者に航空連合の価値を提供できるように努めました。また、各種シンポジウムやフォーラムにおいて電子資料と紙配布資料を参加者が選択できるように改善しました。
○中央執行委員会で議論されている議題と地方執行委員会との連携を図ることを目的に、加盟組合代表者会議に地方組織代表者が参加できるよう環境を整備しました。引き続き本部執行部との連携強化や地方執行委員会の充実に取り組みます。
④産業に集う仲間の人材育成・人材交流の一層の強化
○新任役員向けの基礎教育として、加盟組合の活動充実につながるカリキュラムを設定した上でリーダーズカレッジを東京・大阪で開催し、約100名が参加して、労働法や組合役員に必要な心構えに関する講義を受講しました。また、リーダーズカレッジのフォロアップセミナーを初めて対面で開催し、自身の成果と課題を振り返るとともに、全国の職場で奮闘する仲間同士の交流を図ることができました。
○加盟組合代表者会議の開催にあわせて、組織代表者を対象としたトップリーダーセミナーを年4回開催し、外部講師による講演を通じて、航空連合ビジョン達成に向けた知識付与と意識醸成をおこないました。
○集合形式で開催する際には関連する地域や施設の見学など、実出席の価値の最大化に努めました。各部会では他産業の視察など、合宿もおこないました。
⑤産業別組合として直面する社会課題への対応強化

○航空連合独自の環境ボランティア活動「空をつなぐ。笑顔をつなぐ。」プロジェクトで設立した「航空連合の森」(福岡県八女市)において、森を育てていくための下草刈りを実施し、全国の加盟組合から59名が参加しました。今回はSAFの供給側である日本化学エネルギー産業労働組合連合会(JEC連合)の執行部にもボランティアに参加いただき、脱炭素社会の実現に向けた講演を受けるなど、産業横断的に取り組みました。
○令和6年能登半島地震を受け、連合被災地救援ボランティアに加盟組合・本部から4クールあわせて7名が参加しました。加えて、連合の緊急カンパの取り組みに賛同し、加盟組合から多くの善意が寄せられました。
○「連合平和行動 in 広島」に加盟組合から参加者を募り、全国から8名が参加しました。平和ヒロシマ集会への参加、広島平和記念公園の見学・慰霊を通じ、平和の重要性や労働組合が果たすべき役割を学びました。航空関連産業は平和の上に成り立っていることを改めて認識し、今後は核兵器廃絶への取り組みなど、平和活動につなげていきます。
Ⅱ.第26期(2024年10月~2025年9月)を取り巻く環境
=国際情勢=
国際通貨基金(IMF)によると、世界経済の成長率は、2024年は3.2%、2025年は3.3%になると見込まれています。サービス価格が根強く上昇し続けるなか、先進国、新興国とも2023~2025年の3年間の成長率は、ほぼ横ばい圏となっており、世界経済全体としては大きな変化が見られない状況が続いています。サービス価格を中心にインフレ鈍化のペースが緩やかにとどまるなか、各国の政策金利が高止まりするリスクや貿易摩擦や中東など地政学的な緊張によってインフレが上振れするリスクを警戒しています。また、11月におこなわれる米国大統領選挙の結果を受けて経済や外交安全政策が大きく変わる可能性も懸念されており、注視していく必要があります。
世界の観光の動向については、国連世界観光機関(UNWTO)によれば、国際観光は、2024年にパンデミック前の水準を完全に回復すると見込まれており、初期の予測では2019年の水準よりも2%以上の成長率を示しています。一方で、経済的・地政学的な下振れリスクもあり、引き続くインフレ、高金利、不安定な原油価格、貿易の混乱は、今後も輸送と宿泊にかかる費用に影響を与え続ける可能性があるとしています。
=国内情勢=
日本経済は、政府が発表した月例経済報告(令和6年8月)によれば、先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されています。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があるとしています。
また、9月の自民党総裁選挙により新しい総理大臣が就任し、早期の衆議院解散総選挙が現実味を帯びてきており、国内の政治情勢の動向に引き続き注視が必要です。
雇用・労働に関しては、完全失業率は改善の傾向が続いており、就業率は横ばい圏内となっています。また、定期給与及び現金給与総額は増加しており、実質総雇用者所得は、持ち直しの動きが見られます。連合がまとめた2024年春闘の最終集計によると、基本給を底上げするベースアップと定期昇給を合わせた平均賃上げ率は5.10%となり、1991年(5.66%)以来33年ぶりの高水準で着地しました。国際的な人材獲得競争や国内の人手不足、インフレ経済への移行などを背景に大手企業が積極的な賃上げを実施し、中小企業でも取り組みが進みました。観光・航空を含めた交通運輸・サービス産業においては、コロナ禍からの回復が着実に進んでいますが、コロナ禍で大きく傷ついた財務状況は依然として厳しい点や人材不足への対応といった課題への取り組みが引き続き重要です。
=航空関連産業=
航空関連産業は、国内線の需要はコロナ禍前までの水準に回復し、国際線においてはインバウンドが好調なものの円安・物価高の影響もありアウトバウンドの回復が遅れています。また、ロシアによるウクライナ侵攻により、欧州線を最短経路で飛行できないことによる影響が未だに継続しています。
国際航空運送協会(IATA)によれば、2024年の世界の総旅客数は、2019年の45億人を越えて過去最多の約47億人、運航便数も2019年の3,890万便を上回る4,010万便になると見込み、総収益は前年比7.6%増の9,640億ドル(約140兆円)と過去最高となると予想しています。日本政府は、2030年に訪日外国人旅行者数6,000万人とする目標は堅持しており、航空需要に確実に対応していくための人材確保に官民挙げての取り組みが必要であるとしています。
また、航空分野全体でのカーボンニュートラル推進を図るための改正航空法が2022年6月に成立し、附帯決議には航空連合の主張も反映されました。「2050年脱炭素社会」の実現に向けては、航空会社をはじめ、国、空港会社、航空機燃料製造企業など、すべての関係者が、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを、より一層加速していく必要があります。
【取り巻く環境について】

【参考:航空整備士・操縦士の人材確保・活用に関する検討会】

出典:国土交通省 航空整備士・操縦士の人材確保・活用に関する検討会 中間とりまとめ概要
Ⅲ.第25期-第26期 運動方針ローリング(案)
第25期は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けることなく、航空連合の活動を進めることができました。具体的にはオンラインと対面を使い分け、更なる活動の充実と職場の問題解決に精力的に取り組んできました。
職場では、引き続き人材不足が続いており、喫緊の課題となっています。国も職種に応じた将来の人材確保に向けた検討会を立ち上げるなど、本腰を入れた施策が打ち出されており、航空連合として職場の意見を反映していくことが重要です。2024春闘においては、航空連合として産業の転換点を確実なものとするべく、「10,000円以上」のベースアップ方針を掲げ、一時金・賞与を含めて、大きな成果を得ることができましたが、今春闘の到達点をふまえ、コロナ禍で広がった他産業との賃金差の是正や、長期化している実質賃金の低下への対応など、継続的な賃金改善をはじめとする労働条件の向上にむけて引き続き取り組む必要があります。また、働き方の改善については、勤務間インターバル協定(11時間)の締結に向けて産業全体で継続的に取り組みます。航空関連産業はすそ野が広く、安全運航とお客様への安心なサービス・商品の提供は多くの仲間によって支えられています。産業に集うすべての仲間が安心していきいきと働ける環境をつくっていくことが、航空労働界を代表する産業別組合である航空連合には求められています。
加えて、人材不足の要因として、産業で働く魅力が十分に伝わっておらず、ネガティブなイメージが染みついていることも考えられます。コロナ禍により航空関連産業のイベントリスクへの脆弱性や労働条件の悪化が広く伝わったことにより、航空に関する専門学校においては、大幅な入学希望者数の減少や定員割れに陥っています。一方で、観光立国をめざす我が国においては、私たちの産業は必要不可欠です。産業で働く仲間を増やしていくためには、私たち自身がこの産業で働く魅力を再認識・再構築し、自ら発信していく必要があります。私たちのありたい姿である航空連合ビジョン「いつの時代も社会から必要とされ、働く仲間がやりがいを感じ、誇りをもって働ける産業」の実現に向けて運動を強化していくことが、今まさに求められています。
このような状況をふまえ、第25期-第26期2か年方針を堅持し、第25期の成果と課題をふまえ、2か年の仕上げに取り組み、今後の運動のさらなる充実につなげていく必要があります。人材が不足しているなか、急激な需要回復局面において不安全事象が発生している状況をふまえ、産業の安全を守る人材を確保・育成・定着させる必要があることから、第一に「1.産業の基盤である安全の堅持と人材の確保・拡大」に取り組みます。安全と産業の持続性の前提となる人材確保を最重要課題と位置付け、産業で働く魅力を働く仲間自身が再認識する取り組みを推進するとともに、将来の産業を支える未来の仲間に関心を持ってもらえるよう、産業で働く魅力の発信をいっそう強化し、活動を発展させます。次に「2.「圧倒的な生産性向上」と「継続的な人への投資」による好循環の実現」に取り組みます。産業全体での「圧倒的な生産性向上」の実現に向けて、各職場、産業全体でのイノベーションの推進、連携・協業などにより、これまでにない産業レベルでの生産性向上の実現をめざします。また、生産性向上の実現に不可欠な「人への投資」を継続的におこなうことで、やりがい・働きがいのある魅力にあふれた職場を産業全体で実現します。そして「3.仲間の輪の拡大と運動の変革への挑戦」に取り組みます。航空関連産業で働く仲間が結集し、産業別組合、労働組合として運動を変革することができるよう、多様な仲間が活躍できる組織をつくるとともに、環境課題を中心に社会貢献活動に積極的に取り組みます。
【第25期-第26期運動方針全体像】

【参考:生産性運動三原則】
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生産性運動の目的は「国民の生活水準の向上」であり、生産性向上はそのために不可欠な手段です。日本生産性本部には経済界・労働界・学識者の三者が参画しており、生産性運動の推進には労使の協力が不可欠との設立当時の強い思いを反映して、「生産性運動三原則」(①雇用の維持拡大、②労使の協力と協議、③成果の公正な分配)を掲げています。 公益財団法人日本生産性本部ホームページより引用 |
1.産業の基盤である安全の堅持と人材の確保・拡大
- 安全運航の堅持、安全・安心なサービスの提供は、産業存続と発展の基盤であり、各職場の要員が不足している状況だからこそ、航空安全政策の実現と安全意識の醸成にいっそう主体的に取り組みます。
- 安全と産業の持続性の前提となる人材確保を最重要課題と位置付け、産業で働く魅力を働く仲間自身が再認識する取り組みを推進するとともに、将来の産業を支える未来の仲間に関心を持ってもらえるよう、産業で働く魅力の発信をいっそう強化し、活動を発展させます。
(1)航空安全政策の実現と安全意識の醸成
- 飲酒に係る不適切事案の根絶に向け、個々人の意識改革、職場の風土改革に継続的に取り組みます。加えて、航空従事者への飲酒基準の運用開始以降、職場に過度な負担が生じていないか、職場の現状を把握し、必要に応じて基準や検査体制の見直しなどを国に働きかけ、実効性・持続性のある基準・制度によって安全運航の堅持に取り組みます。
- 国が設置した「保安検査に関する有識者会議」において示された「旅客の保安検査の実施主体・費用負担の見直しの方向性」について、今後の検討や具現化にあたっては、実施主体の移行や財源の見直しに関する航空連合の考えを整理したうえで、航空連合政策議員フォーラムと連携し、政策の実現に取り組みます。
- 第211回国会で成立した「撮影罪」に関する法施行後の職場状況を点検し、実効性や業務面での課題を整理し、改善に取り組むとともに、「無断撮影」の防止に向けた取り組みを進めていきます。また、安全阻害行為等の定期的な見直しの実施を国、定期航空協会、マスコミなどに対して働きかけ、客室内の安全性向上に努めます。
- 無申告危険物や機内持ち込み制限品について、国の監査状況の点検や関係各所との意見交換など、解決に向けて取り組みを継続するとともに、働くものの立場から幅広く提言や情報発信をおこないます。
- 航空機整備に関する安全規制の集中的見直しや諸外国との相互承認の積極的な推進等により、安全性を確保したうえでの生産性向上に取り組みます。
- 産業内の安全意識の醸成に向けて、情宣物や安全シンポジウムによる安全・保安情報の共有など、加盟組合・組合員に対する啓蒙活動を継続するとともに、加盟組合以外の産業で働く仲間や他産業に対しても安全の取り組みを積極的に発信し、あらゆる職場における安全へのチェック機能が維持できるよう全体で取り組みます。
(2)産業で働く魅力の再発見・再構築による発信強化と人材の確保・拡大
- 現状の人材不足や継続している離職への課題に対応するため、将来の人材確保につながるよう、働くものならではの視点にこだわり、これまでの発想や枠組みにとらわれることなく、航空関連産業で働く魅力の再発見、再構築に取り組みます。
- コロナ禍で毀損した航空関連産業のイメージを回復させるため、産業で働く魅力や航空関連産業のトピックについて、各種SNS(X、Instagram、Facebook)の活用やメディア・学生等への発信を強化するとともに、新たなコンテンツや媒体の活用により、次世代の働く仲間に積極的に働きかけをおこないます。
- 将来を担う若年層や子どもたちに産業で働く魅力を伝えるべく、学びのフェスへ継続的に出展するとともに、25期に初めて開催した航空連合独自の航空教室の開催について、地方組織と連携の上、継続します。加えて、学校での講演や地方連合会の取り組み(Kids職場見学会)とも連携していきます。
- 国がとりまとめた「空港業務の持続的発展に向けたビジョン」について、短期的・中期的な取り組みの進捗状況や長期的な取り組みの検討状況について、事業者や業界団体、空港会社、国、地方自治体など関係者に対して実現に向けた働きかけや提言をおこないます。
- 航空連合ビジョン「いつの時代も社会から必要とされ、働く仲間がやりがいを感じ、誇りをもって働ける産業」を内外に広く発信し、あるべき姿の実現に取り組みます。
2.「圧倒的な生産性向上」と「継続的な人への投資」による好循環の実現
- 交通・物流・観光を通じて日本経済の成長を支え、いっそう社会に貢献できるよう、産業全体での「圧倒的な生産性向上」の実現に向けて取り組みます。各職場では労使の不断の努力によって生産性向上施策を議論、実行するとともに、産業全体では規制の見直しやイノベーションの推進、企業間の連携・協業に加えて、航空連合地方組織と各空港や地方自治体などとの関係強化によって、これまでにない産業レベルでの生産性向上の実現をめざします。
- 生産性向上の実現に不可欠な「人への投資」を継続的におこない、「産業の転換点」を確実なものとすることで、「航空連合 中期労働政策方針(2022-2025)」で掲げた目標の達成に向けて産業一丸となって取り組みます。賃金改善に加えて、休み方・働き方の見直しを進め、あらゆる観点から「人への投資」を促し、やりがい・働きがいのある、魅力にあふれた職場を産業全体で実現します。
- 航空関連産業はすそ野が広く、多くの仲間が産業を支えていることをふまえ、労組の有無や資本関係にかかわらず、産業全体に「人への投資」を波及させるべく、適正な取引の推進や産業全体を意識した労働条件の向上に取り組みます。加えて、様々な職場で起きている問題の把握と解決に取り組み、多くの仲間が安心して働くことができる職場をめざします。
(1)「圧倒的な生産性向上」にむけた産業政策の実現力強化
- 産業が安定して成長し続けていくためには、諸外国との競争に劣後しないような公租公課の制度が重要です。さらに、コロナ禍で大きく傷ついている本邦航空会社の状況をふまえ、中長期的な視点での財務体質の改善に資する税制改正要望等を検討するとともに、公共交通機関として地方・離島路線維持の支援策等を検討、要請します。航空機燃料税については最終的な廃止に向けて働きかけを継続します。
- 航空関連産業における温室効果ガス削減への取り組みとして、持続可能な航空燃料(SAF)の安定供給や価格の低廉化、経済的負担を極小化する制度の構築などを求めます。
- 産業政策提言を地方政策も含めて点検し、業界における規制の見直しや施設・ハード面の改善要望など、生産性向上に資する政策をとりまとめ、優先度をつけて関係省庁等に対して働きかけをおこない、政策の実現によって生産性向上の成果を産業全体で積み上げます。
- 国の技術検討会での発言など、自動化・省力化に関する官民の検討に積極的にかかわるとともに、イノベーション推進に対する国のあらゆるサポートを求めていきます。特に投資に対する国の補助を継続的に要請し、十分な予算の確保をめざすことや、DX推進などに取り組みます。
- 各地域における空港や地方自治体などとの関係を構築し、航空連合地方政策提言の実現力を強化することで、空港で働く人材の確保に加えて「圧倒的な生産性向上」実現をめざします。
- 航空連合の各種専門委員会、部会、地方執行委員会等で出された意見を分析し、新たな政策提言につなげるとともに、これまで働きかけを実施していない省庁や団体に対しても政策に応じて要請行動をおこないます。
- ドローンや空飛ぶくるまなど、新しいモビリティに加え、AI、ChatGPTなどの新技術に関する知見を積極的に取り入れ、産業政策提言に反映します。
- 今後も産業が持続的に成長していくためには、健全な労使関係を基軸に、あらゆる階層における労使間の徹底した対話が重要であり、産業レベルでの対話も一層重要になります。定期航空協会や空港グランドハンドリング協会との連携を強化し、業界全体での生産性向上など、産業の諸課題を協議する機会や政労使での対話機会を検討し、実現を目指します。
- 政策シンポジウムや政策実現総行動、情報のタイムリーな周知などを通じ、航空連合の政策提言に対する加盟組合内部の理解促進に努めます。また、マスコミとの関係強化やSNSのさらなる活用など、業界内部にとどまらず、世論に対する広報活動に継続して取り組みます。
- 本部・地方組織双方の政策実現に向けて、航空連合政策議員フォーラムの活動のさらなる充実とメンバーとの連携強化を図ります。加えて、航空連合地方組織における各地方自治体の議員との関係を段階的に構築していきます。そのうえで、航空連合政治方針に基づき、来たる第29回参議院議員選挙や衆議院総選挙などにおいて組合員の投票率向上を図り、立憲民主党・国民民主党所属のフォーラム議員当選に向け、国政・地方選挙に取り組みます。
- 自民党や公明党、日本維新の会などの議員・政策秘書に対して航空連合の産業政策に対する理解を深める活動をおこない、政策実現力の一層の強化をめざします。
- 上部団体である連合や交運労協、友好産別との連携を通じ、有効な要請活動を展開します。
- 日本の航空関連産業を代表する産別組織として、積極的にITFの諸活動への参加や国際的な情報収集に取り組み、政策実現力の強化に努めます。
(2)「継続的な人への投資」にむけた労働政策の実現力強化
- 中期的にめざしたい働き方や労働条件を示した「航空連合 中期労働政策方針(2022-2025)」の達成をめざし、春季生活闘争を含めた労働条件等の改善に取り組みます。職場の声と労働条件調査や航空連合の生産性指標などを十分にふまえ、春季生活闘争の方針を策定します。
- 生産性運動三原則に基づいた「成果の公正な配分」、「人への投資」について労使で認識を合わせるとともに、「産業の転換点」として取り組んだ2024春季生活闘争の流れを継続し、確実な転換とすべく、2025以降の春季生活闘争の方針を検討します。
- 春闘の取り組みへの理解を深め、機運の醸成を図ることを目的に25期に初めて春闘討論集会を開催しました。引き続き春季生活闘争の期間においては、これまで以上に航空連合方針の理解・浸透を図り、加盟組合の春闘方針策定において産業が一体となって取り組むことができるよう、討論集会の充実など、サポート体制を充実させるとともに、経営要請などを通じて労使間で情勢認識の共有を図り、加盟組合の労使交渉・協議の円滑化を図ります。
- 中期労働政策方針に掲げる「働き方・休み方改善指針」の達成にむけ、これまでの産業内の働き方に拘ることなく、他産別を含めた会社や職場の好事例を共有、展開することにより、ワーク・ライフ・バランスの推進、職場の風土醸成、環境整備をおこない、多様な人材がいきいきと活躍できる魅力ある職場を実現します。1月の中央委員会では航空連合全体の進捗状況を確認するとともに、春季生活闘争を通じて航空連合・加盟組合が一体となり取り組みを進めます。
- 加盟組合との連携を深め、加盟組合が直面する課題などの把握に努めます。特に各種労働条件に関する調査と集計、分析の充実を図り、その結果を内部で共有・活用することにより、加盟組合の労働諸条件に関する問題の解決に取り組みます。
- 社会保障や税制などの社会政策について、連合の活動を通じて情報を入手し、航空連合内での勉強会などを通じて理解を深め、連合を通じて意見反映をおこないます。
- 職場におけるあらゆるハラスメントに対して、正しい知識を身につけたうえで、加盟組合が労働組合として適切に対応できるよう取り組みます。特に、カスタマーハラスメントに関しては、第24期に実施したアンケート結果を踏まえ、対応を強化します。
(3)適正な取引の推進による産業内への「人への投資」の波及
- 「航空連合組織マップ」と様々な機会を活用し、労組の有無や資本関係にかかわらず、地方空港、委託企業等の状況把握、課題共有を段階的に進め、政策活動の充実につなげることで、産業全体の付加価値拡大、生産性向上をめざします。また、交運労協のネットワークを活用し、他産別に加盟する航空関連産業で働く仲間との交流、意見交換の充実を図ります。
- 産業が持続的に発展していくためには、産業全体で労働条件を向上させ、人材を確保・育成・定着させていくことが不可欠です。「航空連合 適正取引ガイドライン」を策定、公表し、受委託関係の適正化を促すとともに、航空分野における特定最低賃金や労働協約の拡張適用などによる産業全体での労働条件向上施策を継続的に検討します。
- 産業における付加価値の拡大と波及の観点から、加盟組合以外の職場の状況把握にも努め、産業全体としての雇用の安定や労働条件の向上に取り組みます。
3.仲間の輪の拡大と運動の変革への挑戦
- 産業全体で健全な労使関係を構築し、これまでにないレベルで仲間の輪を拡大することで、航空連合の組織基盤を強化し、産業全体での労働条件の底上げ、産業での適正取引の推進に取り組んでいきます。
- 多様性を尊重し、ジェンダー平等をはじめとする多様な仲間が活躍できる組織運営に努めます。「航空連合 ジェンダー平等推進計画(2021.10~2025.9)」の目標を確実に達成するために、ジェンダー平等推進に関する活動に積極的に取り組みます。
- 航空連合の活動のさらなる充実をめざし、航空連合地方組織の運営効率化や本部執行部との連携強化を図るとともに、組織運営のDX化、電子化などを進め、情報を的確に共有できる基盤を構築します。
- 組織の基盤となる人材について、航空連合の強みをいかして産業に集う仲間の人材育成に積極的に取り組みます。また、産業内のチームワークを強化することも極めて重要であり、人材交流機会をさらに充実していきます。
- 産業別組合として積極的に社会課題に対応していきます。化石燃料を使う産業として、脱炭素社会の着実に推進していくべく、独自のボランティア活動を継続するとともに、平和の上に成り立つ産業として、連合の平和行動などの取り組みも進めていきます。
(1)健全な労使関係の構築と組織基盤の強化による5万人組織への挑戦
- 航空関連産業全体における健全な労使関係の構築と航空連合の組織力強化、付加価値の波及に向け、上部団体や航空連合地方組織との連携を図り、仲間の輪の拡大・組織化にいっそう力を入れて取り組みます。他産別の組織拡大の取り組み事例なども積極的に情報を収集し、実践していきます。
- 加盟組合における未組織の有期雇用社員・パート労働者の組織化へのサポート強化に加え、新たに策定した「航空連合組織化方針」のもと「航空連合 組織マップ」を活用し、未組織・未加盟組合への組織化の取り組みを強化し、2028年までのできるだけ早期に5万人組織をめざします。
- 会社の合併や分割など、労働条件の大きな見直しが発生するような課題が生じた際には、航空連合「雇用・労働条件に関わる課題の対応手引き」を活用し、賃金や働き方などの具体的な会社提案への労組対応を積極的にサポートします。
- 航空連合の活動や成果を組合員や産業で働く仲間に分かりやすく簡易に伝えられるよう、各種情報発信ツール(Webサイト、X、Facebook、航空連合NEWS)の積極的な発信など、組織内外への広報機能の強化・拡充を図るとともに、組合設立に向けた相談窓口や接点の強化を図ります。
- 組合員の生活の安心につながるよう、「ゆとり共済つばさ」や「医療共済」などの組合員向けサービスと、組合活動補償共済やメンタルヘルスサポートなどの組合単位で加入するサービスに関して、周知・広報を徹底し、加入促進を図ることで、スケールメリットを一層発揮します。また、組合員向けサービスを対外的にも周知し、組織拡大につなげます。
(2)多様な仲間の価値観を職場や労働組合に反映させるジェンダー平等の推進
- 最終年となる「航空連合 ジェンダー平等推進計画(2021.10~2025.9)」に基づき、航空連合の機関会議における女性参画比率目標35%の確実な達成に向け、ジェンダー平等参画の目的や目標の意義について改めて認識の共有を図り、必要な環境整備に取り組むとともに、次期ジェンダー平等推進計画を検討します。
- ジェンダー平等推進フォーラム、女性リーダー研修(WINC)、他産別との交流機会の設定を継続し、活動の一層の充実を図ることで、組合活動における多様な価値観の重要性や、職場の実態に近い多様な仲間の参画による推進体制、環境整備の重要性について理解を深めることができるよう取り組みます。
- 労働組合活動における男性育休の取得推進や家事・育児への参画など、男性が主体的に取り組むことができる事例の共有、勉強会を実施し、加盟組合において多様性を認め合う執行体制や運営をめざします。
- LGBTQをはじめ、ジェンダーの多様性を認め合うことができる職場風土の醸成に向け、理解促進と職場への定着に継続して取り組みます。
- ジェンダーに限らず、様々な多様性について理解を深めることができるよう、必要な情報提供や意見交換の場の設定をおこないます。
(3)航空連合地方組織の基盤強化と本部との連携
- 第22期のUXプロジェクト答申をふまえ、オンラインと実出席のそれぞれのメリットを最大化した組織運営や、各会議の位置づけの明確化によって活動の一層の充実を図ります。特に地方組織の事務手続きの簡素化、効率化について継続して検討します。
- 航空連合内のITプラットホーム(Google Workspace)を今後も活用し、資料の電子化やデータベース化、各種動画配信等をおこない、加盟組合・航空連合地方組織の活動の充実や議論の活性化を図ります。
- 地方組織会長・事務局長会議において、勉強会や視察を通じて政策実現力をさらに高めるとともに、中央執行委員会で議論されている議題と地方執行委員会との連携を図ることを目的に25期は、地方組織代表者が加盟組合代表者会議に参加しました。引き続き本部執行部との連携強化や地方執行委員会の充実にむけて取り組みます。
- 航空連合地方組織と地方上部団体との連携や、地域の空港、自治体、議員との関係の構築を本部が積極的にサポートし、中長期的な政策実現活動や組織運営に注力できる体制を構築します。
- 地方航空連合が取り組んでいる社会貢献活動をはじめとする様々な活動について、航空連合本部としてもサポートするとともに、内外に積極的に発信、共有をおこないます。
- 「航空連合組織強化ハンドブック」を活用し、加盟組合活動の充実と組織強化につなげます。
(4)産業に集う仲間の人材育成・人材交流の一層の強化
- 加盟組合の人材育成に寄与するべく、航空連合ならではのリソースを活用し、リーダーズカレッジ(フォローアップセミナー含む)や女性リーダー研修(WINC)、トップリーダーセミナーを開催します。
- 上部団体、外部団体主催の研修を積極的に紹介し、オンラインも最大限活用しながら加盟組合の人材育成をサポートします。また、地方航空連合や加盟組合からのニーズに応じ、勉強会の開催をサポートします。
- 専門委員会や部会など、各会議において、外部講師による講演の機会などを設定し、関連分野の理解促進につなげます。また、オンライン配信による専門分野の理解促進を検討します。
- 各会議開催後の出席者による交流機会の一層の充実を図ります。集合形式で開催する際には関連する地域や施設の見学など、実出席の価値を最大化する内容を検討するとともに、人材交流の場を提供します。また、加盟組合や地方航空連合のニーズに応じて、産業に集う仲間の交流の機会を検討します。
- 第24期に開催した座談会の成果と課題をふまえ、オンラインも含めた人材の交流機会(各種教育におけるフォローアップや世代を超えた交流の機会等)を企画、実施します。また、航空連合設立から25年の節目を迎え、これまでの活動を振り返り、今後の産業の発展をめざす機会として結成25周年記念レセプションを開催します。
(5)産業別組合として直面する社会課題への対応強化
- 「連合エコライフ21」の取り組みに積極的に参画し、加盟組合に地球温暖化防止に関する情報発信をおこなうとともに、環境にやさしいライフスタイルづくりの浸透を図ります。また、上部団体の連合などで実施する社会貢献活動への積極的な参画を検討します。
- 航空関連産業として、脱炭素社会の実現に貢献すべく、航空連合に集う仲間の力を結集した独自の環境ボランティア「空をつなぐ。笑顔をつなぐ。プロジェクト」を継続的に実施します。
- 昨今の激甚化する自然災害への対応として、被災した職場の状況を迅速かつ適切に把握し、情報共有に努めるとともに、組合員やご家族へのサポートをおこないます。
- 航空関連産業は平和の上に成り立っていることを改めて認識し、連合中央執行委員組織として連合の平和行動への参画など、国際労働運動とも連携して取り組みを進めていきます。