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運動方針Movement policy

I. 第22期活動報告

1. 第22期の主な成果と課題

◆産業の持続・成長に向けた基盤である働く仲間の雇用と安心の確保

○産業の持続と雇用の確保に向け、国や関係団体に積極的に要請をおこない、令和3年度の公租公課1,200億円減免や、雇用調整助成金の特例措置の延長、在籍型出向を支援する産業雇用安定助成金の新設など、多くの具体的な成果をあげることができました。また、ワクチン優先接種や水際対策強化など、職場の声に基づいた問題の前進を図ることができました。

○複数の加盟組合において希望退職の募集がありましたが、労使の懸命の努力により、一時帰休や教育研修の活用、在籍型出向の導入など、雇用の確保に努めました。影響が長期化する中においても、産業の基盤となる人材・雇用の確保に継続して取り組む必要があります。

○航空関連産業のあるべき姿や働き方について外部有識者の知見をふまえ、政策シンポジウムなどで議論を重ね、航空連合ビジョン「いつの時代も社会から必要とされ、働く仲間がやりがいを感じ、誇りをもって働ける産業」を策定しました。

(1)「人への投資」による継続的な「活力の好循環」の実現

①「人への投資」による労働条件の向上、働き方の改善

○2021春闘は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、会社から労働条件の引き下げを提案された労組も複数ある中、春闘自体をどのように進めるのか、雇用を維持するためには何が必要なのか、真摯に議論を積み重ね、「『産業の存続』と『雇用の確保』を実現したうえで、職場の一人ひとりが、生活や働き方、将来への不安を払拭し、今後のビジョンを思い描き、前向きに安心して働くことができる環境づくり」をめざすこととしました。

○多くの労組が定期昇給の確保について要求・要望を掲げ取り組み、定期昇給の実施を確認することができましたが、定期昇給が見送られた労組や、月例賃金の減額が続いている労組もあることから、今後、生活への影響を最小限にするべく継続的な対応が必要です。また、一時金・賞与については有額回答を引き出した労組がある一方で、2020年度と比較して減額になる労組が多く、組合員の生活への不安の払拭には課題があります。

○新たに策定した「航空連合 働き方・休み方改善指針」に基づき、所定労働時間の縮減や休日数の増加などを要求した労組に加えて、多くの労組が育児・介護・治療等と仕事の両立支援制度の拡充やテレワーク制度・休暇制度の改善に取り組みました。特にテレワーク制度については、組合員が働きがいを持って取り組むことができるよう、継続的な労組による点検が必要です。

○今後は将来を見据えて、労働条件をできるだけ早期に回復させることに産業全体で取り組むことが重要です。賃金や働き方・休み方、福利厚生制度について航空連合で中期的にめざすべき水準を定め、一体となって、産業全体の魅力や働きがい向上に取り組む必要があります。

②多様な人材がいきいきと長く活躍できる環境の整備

○2021春闘では、複数の労組が人事評価制度の見直しや、改正高年齢者雇用安定法にともなう定年延長や65歳以降の働き方について要求・要望を掲げました。今後も各課題に応じて今後の法改正等を見すえた適切な情報共有やサポートを実施する必要があります。

○各委員会において、介護との両立支援や男性の育児参画促進、メンタルヘルス等に関する情報の提供などをおこないました。また、LGBTQに関する勉強会も開催し、多様な価値観を受け入れる職場風土の醸成に努めました。

③誰もが安心して働くことができる環境整備

○2021春闘では、職場環境の改善に向けて、多くの労組が福利厚生制度の拡充や、転勤に関する制度の見直し、疾病対策などの安全衛生面での要求を掲げました。ワークルールの順守や労働安全衛生の観点での職場環境改善は、春闘期間も含めて通年で労組が職場を点検し、不具合があれば是正していく必要があります。

(2)「活力の好循環」による「付加価値の拡大」と「産業の魅力発信」

①付加価値拡大の基盤となる航空安全・航空保安

○国が設置した「保安検査に関する有識者会議」に交運労協を通じて航空連合の意見を発信し、保安検査を法的に位置付けた航空法の改正に意見を反映しました。特に、国の責任の明確化を求めるとともに、保安検査の責任主体、費用負担のあり方について、国会の附帯決議に航空連合の意見を反映しました。航空法の改正は、保安体制の強化につながる大きな前進ですが、残された中期的な課題について、今後も有識者会議や航空連合政策議員フォーラムとの連携を通じて、政策の実現に取り組むことが重要です。

○航空安全委員会を年4回の開催とし、航空安全にかかわる政策実現力向上や理解促進を図りました。また、7月に安全シンポジウムをオンライン形式で開催し、会社参加者も含めて例年と比べて多くの方に参加いただき、安全意識の醸成に努めました。


②産業政策・社会政策の実現による付加価値の拡大

○産業の存続、雇用の維持の観点から政府、政党に対して緊急要請をおこないました。また、連合やJR連合、サービス連合との連携により、関係閣僚に対して直接要請をおこないました。今後も上部団体や他産別とも連携を図りながら、継続的に政府、政党に要請をおこないます。

○令和4年度政府予算概算要求および税制改正に対し、航空連合の政策要望を反映させるべく、行政、政党など関係各所に対し要請をおこないました。

○社会政策については、連合の社会保障に関する会議に参加しましたが、加盟組合との情報共有を十分に図ることができませんでした。今後も情報収集をおこない、加盟組合との共有方法について検討する必要があります。

○5月に政策シンポジウムをオンラインで開催し、「航空関連産業のあるべき姿と働き方」について議論を深めることができました。

③政策の実現力強化に向けた政治・他団体との関わり

○政策実現に向け、航空連合政策議員フォーラムを積極的に開催するとともに、「航空連合政治塾」を開催し、政策実現と政治の関わりについて参加者で理解を深めました。

自民党との政策に関する意見交換について調整をおこないました。今後は政策対話を実現する必要があります。また、公明党に対してコロナウイルス対応について要請をおこないました。

○定期航空協会と、コロナウイルス対応としての政策要請やその振り返りなど、必要に応じてタイムリーに意見交換、情報共有をおこないました。一方、産業別労使懇談会の実現には至っておらず、引き続き実現に向けて取り組む必要があります。

④産業で働くことの魅力の発信

○特設ホームページ「空港の裏方お仕事図鑑」に組合員のインタビュー記事を掲載するとともに、コロナ禍における職場の奮闘をポスターとして空港に掲載するなど、外部、内部へ積極的に発信しました。また、小学生を対象とした就業教育イベント「学びのフェス」はコロナウイルスの影響により開催されませんでしたが、今後、継続して取り組むことが重要です。


(3)「活力の好循環」を産業全体に波及させるための「付加価値の適正な配分」と「組織の強化、拡大」

①加盟組合の活動充実につながるサポート強化

加盟組合における「with/afterコロナ」の組織運営について、職場状況や課題を集約し、組織委員会等を活用して加盟組合間で情報を共有しました。また、加盟組合のニーズに応じた勉強会を積極的に開催し、加盟組合のサポートをおこないました。

○組合員への情報発信については、航空連合NEWSに加え、タイムリーに組合員に周知すべきテーマを航空連合NEWS EXPRESSとして発行し、情報共有を図りました。また、FacebookとInstagramによる情報発信によって、航空連合の活動を身近に感じられるよう努めました。

○新任役員向けの基礎教育として、加盟組合の活動充実につながるカリキュラムを設定したうえでリーダーズカレッジを東京・大阪で開催し、約110名が参加して労働法や組合役員に必要なことに関する講義を受講しました。また、新任役員間の交流を図ることができました。


②多様な仲間の価値観を職場や労働組合活動に反映させる男女共同参画の推進

○男女共同参画社会をめざし、女性が安心して長く働くことができる職場環境の整備と、女性の組合活動への参画促進を取りまとめた「男女共同参画目標」のこれまでの成果と課題をふまえ、新たに「ジェンダー平等推進計画」を策定しました。今後は、計画の意義や目的を加盟組合と共有し、その達成に向けて取り組む必要があります。

○6月にオンラインで男女共同参画セミナーを開催し、基調講演と加盟組合の取り組み報告をおこなうとともに、策定中の「ジェンダー平等推進計画」について理解を深めました。

③組織拡大による健全な産業内労使関係の構築

○組織委員会で「航空連合組織マップ」を共有し、航空関連産業で働く仲間の輪の拡大の意義、必要性について確認しました。今後も継続して組織拡大に取り組む必要があります。

④適正な取引の実現と産業内における課題への対応強化

労組の有無や資本関係にかかわらず、他産別や加盟組合からの紹介に基づき、多くの仲間と職場状況や課題について意見交換をおこないました。今後はあげられた意見を集約し、航空局や事業者などに働きかけをおこない、適正な取引を推進していく必要があります。

⑤産業に集う仲間の力を結集した社会貢献

○連合が取り組む「愛のカンパ」やアジア連帯委員会が取り組む救援衣料輸送などについて、加盟組合に対し協力要請をおこないました。

ITF(国際運輸労連)と連携を図り、各国のコロナウイルスへの対応状況について積極的に情報収集に努めました。引き続き、日本の航空産業を代表する産別組織として、参画する必要があります。

⑥労働組合運動の継続と強化

○組合員の安全・安心を最優先に、コロナウイルスの感染状況に応じて会議の開催形態を検討しました。また、今後を見据え、オンラインによるセミナー、シンポジウムの開催など、運営を工夫し、ノウハウの蓄積に努めました。

○新たな産業別労働組合のあり方や運動の進め方についてプロジェクト形式で取り組んだ「ユニオン・トランスフォーメーション(UX)」の答申結果をふまえ、第23期以降の規約や会議形態の見直し、IT基盤の整備、人材育成機能の強化などに取り組むことを決定しました。

II. 第23期-第24期 運動方針

航空連合の第22期は、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響により、産業の存続にかかわる未曽有の危機の中、労働組合の活動も制約を受けざるを得ない大変厳しい状況において、産業の存続と雇用の確保に重点を置き、運営の工夫を重ね、精力的に取り組んできました。

職場では、会社や部署によって繁閑の差はありますが、長期化する人員数と業務量のアンマッチへの対応や、事業の存続をかけた構造改革の推進に加えて、一時金・賞与の大幅な減少や月例賃金の減額等の労働条件の低下により、会社や自身の将来に対する率直な不安の声があげられています。一方、そのような状況においても、安全運航、お客様への安心なサービス・商品の提供を最優先に、仲間とともに懸命に業務に取り組んでいること、あるいは、全く経験のない職場へ出向すること、新たな仕事や働き方に挑戦することなど、それぞれが自らの役割を果たすことで雇用を守り、会社を存続させていることを私たちは認識する必要があります。

このような状況において、改めて自分たちの仕事や産業を見つめ直し、ありたい姿として「いつの時代も社会から必要とされ、働く仲間がやりがいを感じ、誇りをもって働ける産業」をめざすことを航空連合のビジョンとして掲げました。少子高齢化が進展する日本において、海外との交流の促進や観光先進国の実現に加えて、公共交通として人流、物流を支えていくことの重要性は決して変わりません。しかし、人々の移動や航空関連産業に対する価値観が大きく変化していることを見過ごすことはできません。私たちがありたい姿を実現するためには、世の中の大きな環境変化に自らの意思で先んじて的確に対応する必要があります。加えて、職場でのそれぞれの取り組みを、産業別組合としての幅広い活動とこれまで以上に連動を図ることで、社会の一員である航空連合として、より積極的に社会的課題に対応し、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けて取り組む必要があります。

具体的には、コロナウイルスの収束時期を見通すことが難しい中、第一に「1.事業・産業の存続と雇用の確保・拡大」に取り組みます。需要の急激な回復に対応できる体制を確保するとともに、特に中長期的な視点で事業・産業を存続させるためには、将来の産業を支える人材の確保が重要であり、雇用の拡大にも段階的に取り組みます。次に「2.圧倒的な生産性向上の実現と成果の公正な配分」に取り組むことで、ウイルス収束後も社会から必要とされる産業として生き残り、さらなる成長をめざします。「圧倒的な生産性向上」とは、単なるコスト削減のことではなく、業界全体でのイノベーションの推進等により、職場や会社の枠を超えて生産性を向上させることであり、生み出した成果を働く人に適正に配分することにより、次のイノベーションを生み出す好循環の実現をめざします。また、組合員の生活水準も可能な限り早期に回復させる必要があります。最後に「3.運動の変革へのあくなき挑戦と社会的課題への対応強化」に取り組み、産業別組合、労働組合として運動を変革し、その価値を高めるとともに、環境課題を中心に社会貢献活動に積極的に取り組みます。

以上をふまえ、複雑化する産業の課題に着実に対応し、運動の実行力を強化する観点から、第23期-第24期の2か年方針を策定し、未曽有の危機を乗り越え、その先の産業の将来展望につながる運動を力強く推進していきます。

【第23期-第24期運動方針全体像】