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航空連合 仲間の輪 拡大・推進方針
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航空連合 仲間の輪 拡大・推進方針(2026-2030)

航空連合 仲間の輪 拡大・推進方針(2026-2030)

Ⅰ.はじめに

私たち労働組合役員の多くは「自分たちの職場を、自分たちで創り、将来にわたってより良い会社として発展させ、社会にも貢献していきたい」という強い想いを持って取り組んでいる。一方で、日々の活動においては「職場に労働組合の価値・役割が伝わらない」、「新入(若手)社員をはじめ組合員の巻き込みが難しい」、「会社業務に追われ、組合活動が十分にできない」、「担い手の育成が滞り、円滑な継承ができていない」、「役員の性別や年代に偏りがある」など、さまざまな悩みも抱えている。また、職場における組合活動に加えて、グループや産業別組織など上部団体、さらに産業横断、地域社会など組合活動のフィールドが拡大しており、その活動量に比例して負担感が強まっているという側面もある。

私たちの活動は、労働条件の向上や働く環境の整備という労働組合の基本的な役割に留まらず、良好な労使関係を通じた円滑な企業運営、さらには地域社会や産業の持続的な成長・発展にも寄与している。より良い職場では一人ひとりが活き活きと働いており、ともに働く仲間や自社への愛着が育まれる。そのような企業では生産性が向上し、それが社会的価値発揮として業績向上にもつながり、そこで働く人の生活向上を通じて地域社会も活性化し、発展する。そのような企業が切磋琢磨する業界・産業は、より魅力的なものとして輝き、社会から認知されていく。

このように、「働きがいのある職場づくり」こそが労働組合活動の原点であり、それがより多くの仲間を巻き込み、波及していくことで、産業別労働組合としての組織拡大へと繋がっていくといえる。

では、労働組合がない職場や企業はどのような状況なのだろうか。航空連合リーダーズカレッジの講師を務めていただいている労働研究センター主席研究員 下安広人氏は次のように指摘している。

  • 賃上げや定昇以外の処遇改善は基本的にない。退職金制度の改善もなし。
  • 人が育たない。職場がギスギスする。
  • 福利厚生制度の改善も行われない。困った人や揉める人が現れると改善する。それ以外は法律の改正に従う。
  • 会社の経営状況は開示されない。儲かっているくらいしか分からない。
  • 職場の問題解決は内部通報しかないので、次から次へと懲戒案件が発生する。
  • 離職が多い。

私たちは労働組合役員として、職場・会社の課題については労使で対話し、協議を通じて最適解を見出し、持続的な発展に向けて前向きに取り組むことができる。また、そのプロセスについても、試行錯誤を重ねながら、より良いあり方を模索し続けている。他方で、労働組合がない職場では、そのようなプロセス自体「ないこと」が当たり前になっている。また、働く人の多様性が広がっている昨今では、職場に労働組合があってもそこに組織されていない人たちが増えていることも重要な問題である。深刻な人手不足や現場の繁忙感が続く今だからこそ、こうした「労働組合がないこと」、「労働組合に組織されていない人がいること」による課題を放置せず、労働組合の価値を広く示し、また高めていくことで、社会的役割を発揮する必要がある。

今般策定した「航空連合 仲間の輪 拡大・推進方針(2026-2030)」は、そのような課題認識のもと、あらゆる手段を講じて自組織の組合員を増やすことに加え、航空関連産業全体を広く見渡して「航空連合に集う仲間の輪を広げる」取り組みを示すことで、企業内やグループのみならず、産業の持続的な成長と発展に向けた道筋を共有するものである。

Ⅱ.航空連合 組織化方針とこれまでの取り組み

1. 概要

航空連合 組織化方針を第25期第1回中央委員会(2024.1.24)で組織確認してから、2年7ヶ月が経過した。この間、5万人規模の産業別労働組合を目指すべく、加盟組合は年間を通じた新入社員・既存社員の組合加入の取り組みの強化、航空連合本部は仲間の輪の拡大に向けて、まだ労働組合のない会社、組織へのアプローチを進めてきた。

<組織化方針の目的と背景>

目的:
航空関連産業の発展に向け、航空連合ビジョン・運動方針に基づき、中期的な視点で産別労組としての方針を示すことで、加盟組織と航空連合の双方が協力して仲間の輪の拡大・組織化の取り組みをこれまで以上に進め、2028年までの出来るだけ早期に5万人規模の産業別労働組合を目指す。
背景:
1999年10月に28,331人でスタートした航空連合は、加盟組合との連携のもと組織拡大の取り組みにより、第23期(2021年)には47,317人まで拡大することができたが、コロナ禍を経て、多くの会社で採用活動の抑制や働く仲間の離職などを要因とした組合員数の減少により、第25期(2023年)には44,306人となった。
日本社会では、日本の雇用者総数に占める労働組合員数が17%を割ったことや、労働者人口の減少(=働く仲間の減少)が想定されている。加えて、航空関連産業には労働組合がない組織や、航空連合に加盟していない組織が多くあることを踏まえた時に、産業の発展や、ビジョン・運動方針の実現に向けた取り組みをさらに進めるためには仲間の輪の拡大・強化は必要不可欠なものと考えている。
これらのことから、航空連合として、2028年までの5年間の間に「これまでにないレベルでの仲間の輪の拡大・組織化」に向け、航空連合全体で取り組みを進めていく。
図1:組合員数の推移

(図1:組合員数の推移)

図2:組合数の推移

(図2:組合数の推移)

加えて、毎年の春季生活闘争でも、「運動の進め方」において、春闘の取り組みとその成果の獲得を通じた組織拡大についての取り組みを強化しており、労働組合の価値や役割を、職場・業界・産業へと幅広く展開してきた。

【2026春闘方針】

<春闘の取り組みとその成果の獲得を通じた組織拡大>

航空関連産業の発展と航空連合ビジョン「いつの時代も社会から必要とされ、働く仲間がやりがいを感じ、誇りをもって働ける産業」の実現に向けて、運動の土台である組織基盤の強化と民主的な労使関係を軸とした運動を展開する。航空連合ビジョンの実現に向けては、産業内での発言力と影響力を高める強固な組織基盤が不可欠である。「航空連合 組織化方針」(第25期中央委員会確認/2024年1月24日)において確認した継続的な仲間の輪の拡大・組織化を目指して、2026春闘では賃上げや労働条件の改善の成果を積み上げることで労働組合の役割を着実に発揮し、「これまでにないレベルでの仲間の輪の拡大」に挑む契機としていく。

春闘における賃上げの実現には、その原資の確保が必要になる。昨今の燃料高や人手不足をふまえれば、航空関連産業に関わるサプライチェーン全体での適正取引を強力に推進することが重要である。具体的には、労務費や原材料費のコスト上昇分を適切に価格転嫁できる仕組みを構築するとともに働く環境も整備し、「付加価値の適正配分」を確実なものとする。これは産業全体で「圧倒的な生産性向上」と「継続的な人への投資」の好循環を生み出し、産業で働く仲間の生活安定を実現するためである。

組織拡大の実践においては、既存組織の枠を超えたアプローチを強化する必要がある。このため、まず1月21日開催の中央委員会において、「組織化方針」の進捗を加盟組合全体で共有し、今後の取り組みを確認する。その上で、春闘期間を通じて、日々の業務で接点のある委託先や協力会社など、サプライチェーンでつながる職場の状況把握に関して、「航空連合適正取引ガイドライン」も活用しながら取り組んでいくことが重要となる。人手不足による現場の繁忙感は高止まりしており、さまざまな問題も顕在化する中、春闘を通じた成果や、労働組合があることによる「雇用の安定」「働きがいの向上」の実感を、産業で働く仲間にも広く発信・波及させていく。現場における「困っている仲間への声かけ」や「労働相談」を通じて潜在的なニーズを把握・改善することで、具体的な組織化に取り組んでいく。

多くの仲間と連携することは、組合員の労働条件を守ることに直結し、産業政策と労働政策の実現力を高める土台となる。2026春闘を「航空関連産業全体の春闘」としてリードし、サプライチェーンの隅々までその成果を行き渡らせることで、航空関連産業で働くすべての仲間を結集し、産業の持続的な発展へとつなげていく。

【2026春闘総括】

成果

  1. 組織拡大については、航空連合組織化方針に沿って「これまでにないレベルでの仲間の輪の拡大」に挑むべく、春闘期間にとどまらない通年の取り組みを展開している。
  2. 組織委員会や中央委員会、中央執行委員会などを通じて、年間を通じた組織拡大の重要性について加盟組合全体で認識共有を図ることができた。また、「組織化方針」の進捗や課題について情報共有をおこない、継続的な取り組みの重要性について理解促進につなげることができた。
  3. 毎年の経営要請において、産業の持続的な発展に向け、民主的な労使関係に基づく「労使の本音の議論」を軸とした賃金改善・労働条件向上、総合的な働く環境の整備、およびサプライチェーン全体での適正取引の推進の重要性について要請を実施した。
  4. 記者会見などを通じて、労働組合の価値向上や労働運動の社会的意義に関する発信を行うとともに、春闘の成果を産業全体へと展開した。
  5. 未加盟組織への訪問や情報交換を継続的に実施し、労働組合設立や加盟に向けた環境整備を進めるとともに、委託先や協力会社を含めたサプライチェーン全体の状況把握や産業別労働組合を通じた産業全体の労働運動への土台づくりに努めるなど、航空関連産業全体で働く仲間とのつながり強化に向けた取り組みを進めることができた。
  6. 人手不足や現場負荷の高止まりなど、航空関連産業を取り巻く課題が続く中、春闘を通じた成果や、労働組合が果たしている役割について発信することで、「雇用の安定」や「働きがいの向上」に対する理解促進につなげることができた。

今後に向けた課題

  1. 組織拡大をさらに進めていくためには、職場における組合活動の充実や労働組合の社会的意義のさらなる発揮、他産別を含む働く仲間との連携について、加盟組合全体で認識を深め、各々が主体的に取り組むことが重要である。特に、賃金改善や労働条件向上、職場環境改善など、春闘を通じて得られた成果が、労働組合が存在するからこそ得られた成果であることを、働く仲間へ幅広く伝えていくことが必要である。
  2. 労働組合の有無によって、労働条件や職場環境、雇用の安定などにどのような違いが生まれるのかについて、具体的な成果や事例を通じて理解を広げていく必要がある。また、日常的な対話や現場における「困っている仲間への声かけ」、労働相談などを通じて、現場で働く仲間の不安や課題を把握、改善し、組織化につなげていく取り組みが求められる。
  3. 航空関連産業全体で人手不足や働き方に関する課題が顕在化する中、既存の組織の枠を超えた取り組みを進め、委託先や協力会社を含めたサプライチェーン全体への働きかけを継続していく必要がある。
  4. これまでに構築したサプライチェーン全体の状況把握や労働運動への土台を基盤として、「航空連合適正取引ガイドライン」を活用した更なるアプローチ方法の検討が必要である。
  5. 今後も、春闘を通じた成果を産業全体へ波及させることで、航空関連産業で働くすべての仲間の結集と、持続的な産業発展につなげていくことが重要である。

2. 組織拡大に関する課題

第28期においては、これまでの加盟組合と航空連合本部における組織拡大の取り組みの成果もあり、航空連合として5万人規模の産業別労働組合となる。

この成果の背景には、コロナ禍以降の採用人数増加に伴うユニオンショップ協定締結労組における自然増の側面が強い。一方で、オープンショップ労組における組織拡大や、ユニオンショップ協定締結(過半数組合)、規約変更に伴う組合加入資格の拡充に向けたサポートなどの課題が点在している。加えて、適正取引ガイドラインを活用した受委託構造における協力会社へのアプローチや、増加傾向にある外国人材の組織拡大など、航空連合としても産業全体における組織拡大に向けた取り組むべきこと、そしてその可能性はまだ十分にあるものと考えている。

そこで、組織化方針の目標である「5万人組織を達成できる見込み」があること、「産業全体における組織拡大の可能性と必要性がある」ことから、航空連合として加盟組合一丸となった組織拡大に向けた取り組みをすべく、2026年5月に「航空連合 組織化方針の今後の取り組みに関するアンケート」を実施した。

(1)アンケート内容

  • 現状把握シート(全従業員数、組合員数、未組織従業員数、組織拡大目標)
  • 組織拡大目標記入表(関連会社など)
  • 組織拡大目標記入表(同一職場など)

(2)アンケート結果 ※2026年10月〜2030年9月の4年間における組織拡大目標総数

  • 回答労組38労組(回答率64.4%)
  • 未組織従業員 組織拡大目標 4,280名(社員数増加に伴う組合員増加は除く)
  • 関連会社 組織拡大目標 3,832名

☆合計目標数 8,112名

また、単に目標を掲げるだけではなく、航空連合の運動ビジョンや航空関連産業のあるべき姿を見据えるとともに、アンケート結果から見えてきた課題への対応も検討する必要がある。

(3)アンケート結果をふまえての課題

  • 過半数労組ではない労組が複数存在する(36協定締結ができないため労使共にリスクとなり得る)。
  • 一部の労組において、現在は過半数労組だが、組合員比率が50%〜60%など、過半数労組の維持が難しくなる可能性のある労組がある。
  • オープンショップ労組において、新入社員/既存社員の加入活動には限界がある(加入説明だけでは、職場における労働組合の価値・役割に関する理解促進が難しい)。
  • 一部の労組においては、特定技能などの外国人材の入社も増加しているものの、組合加入に至っていない。

(4)組織化方針における、航空関連産業のあるべき姿に向けた取り組み

なぜ、航空連合に集う働く仲間を増やす必要があるのか、という点については、持続的な成長と発展に向け、労働組合として産業・社会に貢献する必要があるからである。

  1. 航空関連産業の健全な発展への寄与
    航空連合が組織を拡大し、その活動を強化することによって、働く人たちの働きがいを高め、航空関連産業の健全な発展に寄与することを目標とする。
  2. 地方創生と地域との連携
    地域と連携した取り組みを推進していくなど、地方創生の視点を踏まえた航空関連産業の発展に向けた活動を検討する。具体的なポイントとして、「航空連合適正取引ガイドライン」では、地方創生を軸とした産業の発展に向け、二次委託先・三次委託先との連携強化に向けた取り組みを進めていく。
  3. 社会から必要とされる産業の実現(航空連合ビジョンの体現)
    組織化を強力に進めることで、「いつの時代も社会から必要とされ、働く仲間がやりがいを感じ、誇りをもって働ける産業」という航空連合ビジョンの実現に向けた取り組みを強化する。
  4. 日本社会の構造的課題を踏まえた取り組み
    日本の雇用者総数に占める労働組合員数が17%を割ったことや、労働者人口の減少といった日本社会の状況を踏まえ、産業の発展やビジョン実現のために「仲間の輪の拡大・強化」が必要不可欠であると位置づけ、その取り組みを強化する。

Ⅲ.航空連合 仲間の輪 拡大・推進方針(2026-2030)

航空連合 組織化方針をふまえ、航空連合に点在する課題に向き合いつつも、「産業全体における組織拡大の可能性と必要性がある」ことから、加盟組合一丸となって仲間の輪の拡大・推進に向けた取り組みを進める。

1. 仲間の輪 拡大・推進の意義と目指す姿

(1)2030年9月までの4年間における「仲間の輪の拡大・推進」にこだわる

  • 6万人規模の産別労働組合の実現(拡大目標:10,000人)
  • 単組運営の安定的基盤を構築するため、「新規加入」と「組合員の減少防止」を両軸で進める

(2)基盤強化に向けた強力なサポートの展開

  • 航空連合全体でユニオンショップ協定の締結を目指す
  • 新入社員の増加や新規労組結成などに向けたサポートを行う

(3)産業の持続的な成長と発展と、社会的役割の強化

  • 最大の原資である「人」への投資(人材育成・働きがいの向上)を促進する
  • 労働条件の向上や働く環境の整備を通じた活力の好循環へ繋げる

(4)働く仲間が安心して働き続けられる職場づくりの推進

  • 女性活躍・高齢者雇用・障がい者雇用・外国人材との連帯を進める
  • 育児介護/治療との両立やハラスメント防止など、一人ひとりが活躍できる土台を作る

(5)自由で民主的な労働運動を基本とした、社会の基盤構築と継承

  • 対等な労使関係に基づき、建設的な対話によって課題を解決する文化を醸成する
  • 「今」だけでなく、働きがいのある職場や持続可能な産業を「将来」へと引き継ぐ
図3:仲間の輪 拡大・推進と目指す姿

(図3:仲間の輪 拡大・推進と目指す姿)

2. 仲間の輪 拡大・推進 目標と期間

(1)2030年9月までの4年間、航空連合全体で組織拡大にこだわった取り組みを展開し、6万人規模の産別労働組合を目指す。

  • アンケート結果(目標数 8,112名)とユニオンショップ協定締結労組における新入社員の増加や新規労組結成などを加味して、航空連合全体の「仲間の輪 拡大・推進」目標を10,000人とする。
  • 単組運営の安定的基盤を構築するためにも、「新入・既存社員の新規加入」と「組合員の減少防止」を両軸で進める。
  • 航空連合として、加盟組合のユニオンショップ協定の締結を目指し、そのサポートを強化する。
  • 産業政策や労働政策のさらなる充実と、幅広く組合員に展開する。

(2)2026年10月〜2030年9月(第28期〜第31期)の4年間

  • 中間期である第30回定期大会でローリングを実施する。
  • その際、目標人数だけでなく、「ユニオンショップ協定の新規締結単組数」「加入範囲拡大などの規約変更完了単組数」などの進捗目標を設定し、多角的に到達度を確認・検証する。
図4:計画期間の取り組み

(図4:計画期間の取り組み)

3. 労働組合の社会的役割を果たすために

(1)持続的な経済成長への貢献

  • 人口減少社会では、「人」が最大の原資
    企業の持続的成長には、人への投資が不可欠である。人材育成、働きがいの向上、生産性向上が求められており、その実現には、健全な労使関係と建設的な対話が重要である。

(2)公正な分配と豊かな中間層の形成

  • 賃上げや適正な労働条件
    春季生活闘争は、日本経済全体を支える社会的役割であり、日本経済の好循環へと繋がる。

(3)一人ひとりが活躍できる社会づくり

  • 多様な人材が安心して働き続ける職場づくりを推進する責任
    女性活躍・高齢者雇用・障がい者雇用・外国人材との連携・育児介護/治療との両立・ハラスメント防止などの推進は、一人ひとりが活躍できる土台となる。

(4)民主的な社会を支える役割

  • 職場は社会の縮図
    労使が対等な立場で互いを尊重し、建設的な対話によって課題を解決する文化は、民主的で成熟した社会を支える基盤となる。

(5)将来へとつなげていく

  • 「今」だけではなく、「将来」へと継承していく必要がある
    私たちの役割は、次世代に、働きがいのある職場・持続可能な企業・産業、希望の持てる社会を引き継ぐことも重要な使命である。

4. 取り組みの方向性

(1)組織基盤の強化と組合員数の維持・拡大

①新入社員への、仲間の輪の拡大と既存組合員の維持

  • 新入社員や未加入社員への積極的なアプローチを行うと同時に、既存組合員の人数減少を防ぎ、組織の基礎を確実に固める。その際、効果的な「新入社員加入に向けた取り組み」の手法を航空連合全体でノウハウとして共有することを検討する。【加盟組合・本部】
  • 日常の単組活動(労働相談の解決や職場環境の改善など)が、いかに労働組合の存在意義を高め、結果として組織拡大に直結しているのか、そのプロセスを可視化し加盟組合全体に展開する。【加盟組合・本部】
  • 既存の公式LINEなど、働く仲間が気軽にアクセスできる労働相談窓口の周知を行う。【本部】

②組合員加入資格の見直し(規約変更)と過半数維持

  • 特定技能などの採用が増加傾向にある中、従来の規約のままでは過半数組合の維持が危ぶまれる企業が出てくる懸念があることから、正社員以外の加入も視野に入れた規約変更を行い、安定して過半数組合を維持できる体制を構築する。【加盟組合】

③未組織従業員の組織化

  • ユニオンショップ協定を既に締結している労組においても未組織の従業員が存在するため、未組織層の組織化を検討する。【加盟組合】
  • アプローチの際は、組合があることのメリットだけでなく、「労働組合がないことによるデメリット(労働条件の不利益変更リスクや、現場の声を適正に届ける仕組みの欠如など)」についても具体的に提示し、組合の必要性を力強く訴求する。【加盟組合・本部】

④新規加盟労組の結成と接点機会の創出

  • 労働相談や職場対話等をきっかけとした新規労組の結成・加入促進を加速させる。【加盟組合・本部】
  • 本部の対応を基本としつつ、加盟組合からの接点獲得に向けた協力を得て推進する。【加盟組合・本部】

(2)労使協定・労働協約の締結促進と取引環境の改善

①ユニオンショップ協定の締結

  • 労働組合法において組合加入可能な人のうち過半数以上が加入している状態を作り出し、ユニオンショップ協定の締結を目標とした取り組みを展開する。【加盟組合】
  • 成功事例を全体で共有するとともに、実務的な「ユニオンショップ協定締結に向けた手引き」を策定・周知し、各単組の協定締結に向けたハードルを下げるサポートを検討する。【本部】

②労働協約の締結および拡張適用の推進

  • 同種労働者の4分の3以上の組織率が必要となる「労働協約の拡張適用」を見据え、職場全体の労働条件底上げに向けた取り組みを強化する。【加盟組合】

③適正取引ガイドラインを活用した企業(職場、現場)へのアプローチ

  • 受委託構造における企業や職場に対し、「適正取引ガイドライン」を活用しながらどのようなアプローチができるか具体的に検討する。【加盟組合・本部】
  • 具体的には、春闘における成果、適正な価格転嫁を、協力会社の労働条件改善につなげることなど、それを「労働組合の成果」として労働組合のない職場に発信することで加入・結成を促すなどを検討する。【加盟組合・本部】

(3)連携体制の強化と経営対策

①加盟組合サポートの強化と関係組織との連携

  • 加盟組合担当制を維持して個別サポートを継続するとともに、JALパートナーズやANAグループ労働組合連合会といった関係組織との連携をさらに強固にする。【本部】

②健全な労使関係の構築と経営要請

  • 会社側との健全な労使関係の構築を目指した上で、組織化や協定締結を強力に後押しするために、航空連合全体としての経営対策や経営要請などの支援策を検討する。【本部】

③航空連合地方組織(北海道・成田・東京・愛知・大阪・福岡・沖縄)との連携による、地方加盟組合のサポート体制の強化

  • 限られたリソースの中でも、組合員交流機会の強化や加盟組合のサポートを強化できるような環境整備を行う。【本部】

(4)健全な組織風土の維持と運動の巻き込み力向上(組織基盤の安定化)

①過半数維持と単組・航空連合の巻き込み力の強化

  • 組合員比率の低下を防ぎ、36協定等の締結を安定的にするとともに、職場の多様なニーズに応え得る高い求心力を維持する。【本部】

②理念や運動方針の浸透と職場の一体感の醸成

  • 航空連合のビジョンや「健全な労使関係」に基づく活動の価値を丁寧に共有し、職場の一体感と連帯を深める。【本部】

③持続的な運動を担う人材育成の推進

  • 組織基盤を強化し続けるため、「人材育成」を重要視する。【加盟組合・本部】
    ※ここでいう人材育成とは、単なる業務スキルにとどまらず、労使関係の理解、課題解決力、そして「仲間に寄り添い、行動・実行できる力」を持った組合リーダーの育成を指す。

④未組織層への先手的アプローチ(職場の安定化)

  • 特定技能などの外国人材や多様な雇用形態の働く仲間に対し、労働組合としての受け皿を整えることで、意見の多角化による意思決定の複雑化を未然に防ぐ。【加盟組合・本部】
  • 現場における「言語の壁」や「生活面のサポート」などの課題に対応するため、本部主導による対応マニュアルの作成や支援体制の整備を検討する。【本部】

⑤環境変化に伴う組織課題への対応

  • 事業再編や外部委託化に伴う職場の不安や課題に対し、会社側との事前協議や組合員との丁寧な対話を通じて安心と雇用・労働条件を守る。【加盟組合・本部】